Oracle Cloudを触り始めて、無料枠で使えるVMのスペックを確認していたときに少し混乱した。

Ampere A1の無料枠を調べると、2 OCPU / 12GB と書かれているページがある一方で、4 OCPU / 24GB 相当の数字も出てくる。しかも片方が古い個人ブログというわけではなく、Oracleの公式ページ同士でも数字が揃っていないように見えた。

私は登録時にクレジットカードも入力していたので、「自分はFree Tierなのか、それともPay As You Goなのか」というところから分からなくなった。

アカウントのPlan typeまで確認してみると、自分のアカウントは Free Tier だった。2026年9月10日時点のOracle公式情報を追っていくと、Free TierとPay As You Goでは見るべき無料枠が違うことも分かった。

2026年9月時点では、Free TierとPAYGで数字が違う

2026年9月10日時点で確認できた無料枠は次のとおりだった。

アカウントAmpere A1の無料利用枠24時間稼働で考えた目安
Free Tier(Always Free tenancy)1,500 OCPU時間 / 9,000 GB時間2 OCPU / 12GB
Pay As You Go(paid tenancy)3,000 OCPU時間 / 18,000 GB時間4 OCPU / 24GB相当

OracleのAlways Free Resourcesでは、VM.Standard.A1.Flex について月1,500 OCPU時間、9,000 GB時間が無料で、Always Free tenancyでは 2 OCPUs and 12 GB of memory に相当すると明記されている。

Oracle Cloud Free Tierの日本語ページでも、Arm Compute Instanceは月1,500 OCPU時間、9,000 GB時間、メモリ12GBと案内されている。

一方、Oracleの英語版Cloud Price Listでは、Ampere A1について Each paid tenancy に対して月3,000 OCPU時間と18,000 GB時間を無料で提供すると書かれている。4 OCPUと24GBを1か月常時動かしても収まる量なので、よく見かける「4 OCPU / 24GB無料」という説明はこちらに対応する。

この 4 OCPU / 24GB は、固定された1台のVM構成ではなく、月3,000 OCPU時間と18,000 GB時間という無料利用量を24時間稼働に置き換えた目安になる。

Ampere A1では、Oracleの説明上 1 OCPU = 1 vCPU となる。OCIの画面やドキュメントではOCPU表記が中心なので、以降もOCPUで書いていく。

Oracle公式を見ても迷った理由

今回いちばん困ったのは、Oracle公式の中だけを見ても異なる数字にたどり着くことだった。

Always Free ResourcesやFree Tierのページでは 2 OCPU / 12GB。Cloud Price Listでは3,000 OCPU時間と18,000 GB時間が無料と書かれている。さらにArm-Based Computeのドキュメントには、現在も All tenancies on OCI A1 (Compute), including paid and trial accounts に対して月3,000 OCPU時間、18,000 GB時間が無料という説明が残っている。

一つのページだけ見れば、どれもOracle公式の情報に見える。ところが別のページへ移ると数字が変わるので、「どちらが今の条件なのか」が分かりにくい。

海外でもこの変更は話題になっていた。Linuxiacは2026年6月14日に、Always FreeのAmpere A1が従来の4 OCPU / 24GBから2 OCPU / 12GBへ縮小されたと報じている。InfoQも7月3日に同じ変更を取り上げ、6月15日に変更が適用されたと報じた。

検索で4 OCPU / 24GBという記事が出てきても、すべてが古くて間違っているわけではない。以前のFree Tierではその数字が使われており、2026年にAlways Free側の条件が変わった。現在もPAYG向け価格表には3,000 OCPU時間 / 18,000 GB時間の無料枠が残っているので、時期とアカウント種別を分けて見ないと数字が合わなくなる。

PAYGは月額サブスクではない

PAYGPay As You Go の略で、利用量に応じて料金が発生する従量課金のアカウントだ。

私は最初、Free Tierとは別の月額プランのようなものを想像していた。実際には毎月固定料金を払うサブスクリプションではなく、PAYGへアップグレードすると有料リソースを利用できるようになり、無料利用量を超えた分や無料対象ではないリソースを使った分が請求対象になる。

OracleのAlways Freeドキュメントでも、Pay As You GoへアップグレードしたあともAlways Freeリソース自体には課金せず、Always Freeの上限を超えた利用に対して課金すると説明されている。

PAYGに変えただけで毎月固定費が発生するわけではないが、課金可能なアカウントにはなる。無料対象と利用量を確認せずにリソースを増やせば、請求が発生する可能性はある。

クレジットカードを登録していてもFree Tierだった

私がもう一つ勘違いしかけたのが、登録時のクレジットカードだった。

Oracle Cloudのアカウントを作るときにカード情報を入力したので、すでにPAYGとして登録されているのかと思った。しかしFree Tierの登録時にもカード認証は行われる。カードを登録したこと自体は、PAYGへアップグレード済みという意味ではなかった。

OracleのAccount Upgrades and Payment Methodを見ると、Free Tier登録時のカード認証と、PAYGへのアップグレードは別の操作として扱われている。アップグレードが完了すると、Plan Typeが Free Tier から Pay As You Go へ変わる。

実際に自分のアカウントを確認すると、次の表示だった。

Subscription information
Plan type: Free Tier

カードは登録しているが、アカウント種別はFree Tierのままだった。

自分がFree TierかPAYGか確認する場所

自分のアカウント種別は、OCIコンソールの請求画面から確認できる。

  1. OCIコンソールを開く
  2. ナビゲーションメニューから Billing & Cost Management を開く
  3. BillingUpgrade and Manage Payment を開く
  4. Subscription InformationPlan Type を確認する

Plan TypeFree Tier ならFree Tierアカウント、Pay As You Go ならPAYGへアップグレード済みだ。

Oracleの公式ドキュメントでも、Free Tierではこの画面に Plan Type (Free Tier) が表示され、PAYGへのアップグレード後は Pay As You Go へ変わると説明されている。ページタイトルも、Free Tierでは Upgrade、アップグレード後は Manage Payment になる。

私はここを見て、ようやく自分に適用される数字を判断できた。

Free Tierなら2 OCPUをどう分けるか

私の場合はPlan Typeが Free Tier なので、2026年9月10日時点のAlways Free枠はAmpere A1で合計2 OCPU / 12GBとなる。

A1はFlex shapeなので、必ず1台を2 OCPU / 12GBで作る必要はない。たとえば1台に2 OCPUを割り当ててもいいし、2台に1 OCPUずつ割り当ててもいい。メモリも合計12GBの範囲で配分できる。

VMの台数だけを見て無料かどうかを判断するのではなく、A1全体で使うOCPU時間とメモリのGB時間を見る必要がある。

Always Freeではブートボリュームにも無料枠があるため、Computeだけ無料枠内なら何を作っても無料、というわけでもない。VMを増やすときはストレージなど別のリソースも確認しておきたい。

後から確認するなら、数字より先にPlan Typeを見る

今回調べてみて、Oracle Cloudの無料VMについて「何コア無料なのか」だけを検索すると混乱しやすい理由が分かった。

2026年9月10日時点では、私のFree Tierアカウントで見るべきAmpere A1のAlways Free枠は 2 OCPU / 12GB。一方、paid tenancy向け価格表には月3,000 OCPU時間 / 18,000 GB時間、つまり 4 OCPU / 24GB相当 の無料利用量が載っている。

今後また条件が変われば、この数字も変わるかもしれない。次に同じような食い違いを見つけたら、最初にOCIコンソールの Plan Type を確認する。Free TierならAlways Free Resources、PAYGならCloud Price Listを見て、その時点の条件と照らし合わせる。

2 OCPU4 OCPU のどちらか一方を覚えておくより、自分のアカウント種別と現行の公式情報を確認できる場所を覚えておく方が、今回のような変更には対応しやすい。